眠り姫

2005年7月22日 空想の物語
眠り続けて三百年
すでに親しき人たちは亡くて
今は誰も知らないお姫様
目覚める為に王子のキスが必要でも
見ず知らずの姫に命をかける人もいない
魔女はとっくに違う世界に飛び立って
城は廃墟で崩れかけ
その中でひたすら眠り続ける眠り姫
目覚めることも年をとることもなく
眠った時のように美しく輝きに満ちていた
もはや城の伝説となった眠り姫
まだ生きて王子の奇跡を待っているのに
なら王子はどこに行ったのか
王子は魔女の力に魅了され
魔女とともに既に世界にはいなかった
一人ぼっちの眠り姫
そこに一筋の光が城を射した
「眠り姫よ…そなたは永いこと眠りについた…私が一つ願いを叶えてあげよう…何がいい?何でも申してみなさい…」
「神様…私はもう一人が嫌なのです。今までは死んで天使になりたいと思っていました…けれど今は私を城の前に銅像として甦らせてはいただけませんか?この街の人たちを見ていたいのです…」
「その願い…叶えてあげましょう…」
眠り姫はお城の前に銅像として甦り
城も元通りに戻りました
街や世界中の人たちが魔法を掛けられたように
眠り姫の伝説を思い出し
お城に遊びに来るようになりました
眠り姫は王子や魔女を恨むことなく
末永く街を見守り続けました
入り口があるなら
出口がある
入り口から入ったのに
出口が見つからず
途方に暮れる
歩き回って探すけど
見つからなくて
非常口がないか探すけど
何処にも見当たらない
入り口に戻ろうとするけど
来た道はまるで生きているかのように
また新たな道になっている
残りの電池が少ないライト
ポケットにある二つの飴玉
小さなペーパーナイフがあるだけ
ナイフで飴を砕いて少しずつ舐めて
ライトで道を照らし進む
当てもなく
ただひたすら出入り口を求めて
歩いた
道は狭くなっていく
そして僕は目に先にライトではない
とても小さな光を見つけた
小さい穴だったけど
それは外の月明かりが漏れていたのだ
ナイフで必死に穴を広げようとするけど
岩は硬く思うように砕けない
するとナイフは砕けて僕は希望を失う
外を見るとそこには草原が広がっていて
月明かりで白い花が美しく風に揺れて
遠くに見える大きな湖の水面には
月が映っていた

『外に出たい』

腕を伸ばすけど届かなくて
爪を立てるけど岩は砕けなくて
涙を流すけどただ流れるだけで
声を上げるけど何も変わらなくて
辛くて岩を叩いたら
来た道は崩れて塞がって
まるで小さな牢獄にいるような
そんな心境になる
外に見える景色が羨ましくて
太陽が昇りまた月が現れるの繰り返し
僕は決心する
砕けたナイフの欠片で手首を切る
溢れる血で砕いた土くれに混ぜて
粘土状になった欠片を穴を埋めるように
ひたすら練りこんでいく
忽ち穴は閉じていって
空気がどんどん薄くなる

『さよなら。外の世界』

ゆっくりゆっくり目を閉じて
なぜ僕はココにいるのかと
くだらないことを考えた
ライトはいつのまにか点かなくなっていて
ポケットから最後の飴玉の欠片を
口に入れる
味は分からなかった
口を閉じる力も無くなってきて
溶けた飴玉の欠片が零れた
もう終わりなんだと感じる
何が終わりなのかそれさえも分からないけど
何かが終わることは分かった
最後に見た外の世界は綺麗だった
あんな世界だったら
もう一度生まれたい
羨むほど綺麗な世界なんだもの
生きる希望をなくすほど綺麗な世界だもの
汚したくないと思わせるそんな世界に
生きることが許されるなら
もう一度生まれ変わったら生きたいよ
出口は見つかったのかもしれない
いや見つかっていたのかもしれない

『もし今でも外に出て生きることが許されるなら生きたいけれど僕は外に出してもらうことさえ天に許されなかった身…生まれ変わることはもう許されないかもしれないけれど…一度は手放した希望を持って出口に向かいたいのです…どうかこのまま僕から希望を奪わないで…』
貴方となら人生最後まで共に行けると信じていた。
けどお互い敵という立場になったのなら。
私は貴方を乗り越えてでも先に進まなくてはいけない。
私が背負ったのは貴方への愛ではなく母国への忠誠心だから。
こんな悲しい別れをするなら出会わなければ良かった。
貴方に付いて行けずにごめんなさい。
どちらかが倒れるまで剣は降ろさずに頂きたい。
手加減は私への侮辱。
愛してくれたなら正々堂々と一騎打ちでお手合わせいただきたい。
愛していました。
いざ勝負!!!!!
去年初めて出会った場所だよ
君は覚えてるかな
満開に咲く花道を二人で歩いたね
あの時はお互い緊張して何も話さなかった
それからこの道は何度も通ったね
同級生と…幼馴染と…君と
夏が過ぎ秋が過ぎ…冬が過ぎた

あれから一年もう君とは歩かなくなった
歩けなくなったというのが正しいか
君は別の人と歩くようになったから
僕はまだあの時のまま
桜道に心を置き去りにしてる
先に進めないまま
今は散り逝く桜を眺めてる
片手にギターを
頭には帽子を深く被って
ぼろぼろになったマントを
肩から掛けて
俺は夕陽に背を向けて
何処までも何処までも
アナタへの片思いと共に
歩いて行こう
奏でるのはアナタへの思い
アナタへ伝わることのない
悲しいフォークソング

何日食べ物を口にしていないだろう
収入は道行く人の哀れみの銭
水は天からの恵みを器に取る
傘もないから体はいつでも雨に濡れて
いつも心みたいに冷たい
弦は大切に扱ってきたが
ついに真ん中が切れてしまった
前髪はもう鼻まで隠して
靴はつま先が見えるくらい捲れてる
歩く力絶え絶えに橋下まで来た
終わりが近いと体が感じている

君と離れてどれ位経ったんだろう
今でも鮮明に君の顔が浮かぶよ
雨が降る空を眺めて君の全てを思い出す
頭はもう可笑しくなっているのかも知れない
無いはずの弦の音が聞こえる
次第に涙が頬を伝わりギターへと落ちる
聞こえるかい?君への思いが
天へと届くように力いっぱい歌うよ
約束しただろう?君以外愛さないと
生涯君だけを愛すると…
どうやら僕は約束を果たせそうだ

流離の歌い人は橋の下で亡くなった
悲しい音楽に気づいた村人が着いた時には
ギターを抱えたまま
たった今まで歌っていた歌い人がいた
その表情は涙を流し眠っているようだった
ギターの弦は全て切れていたという
村人は哀れに思い亡くなった場所に
ギターと向かい合わせに埋めたという
きっとギターの奏でてくれた音が
歌い人を恋人の元へと
連れて行ってくれるだろう
今でも耳を澄ませば聞こえてくる

何年も一人で耐えた流離の歌い人の歌が…
今、会いに行きます…待たせたね…
アナタは強い子でしょう?
もぅ泣かないで坊や
ママが傍にいるの
アナタのパパはとても強かった
とても優しかった
だけど今は遠い…遠いところにいるの

ほら見てごらん坊や
綺麗なお星様を
あれはパパなの坊や
いつもアナタを見てるの
ママはいいの一人でも
アナタが傍にいれば
だってアナタはパパの…パパの子供だから

アナタのパパは坊や
私のたちのことを
アナタのパパは坊や
とても心配してたの
戦いに行くその日まで
きっと無事で帰ると
硬い約束をして
出かけていったのに

アナタのパパは坊や
あんなに言ったけれど
アナタのパパは坊や
ココに帰らないの
アナタが大きくなったら
愛する人に二度と
歌わせないで頂戴
ママの子守唄を
ママの子守唄を
ママの子守唄を

題名は分からないのですがちょっと年代が古い唄です。
聞きながら泣いてしまった(笑)
記念すべき第一曲です。

夢見た。

2005年3月30日 空想の物語
近代的なデズニ―ランドに行く為に近代的な空港で近代的な飛行機に乗ろうとしてる僕。
すると何時の間にか六人の男の子と自分と女の子一人でど田舎を歩いていた。どうやらつるんでるらしくめちゃ仲がいい。突然マラソンをする羽目になり、超スピードで走っていく僕ら。一人の男の子が僕に謝る。さっきはごめんと。僕はいいよ、別に、気にしてないしと答える。
走ってる途中色々あったけどカットして。女子高校生の修学旅行に出会う。一人の女の子が僕らに色々くれた。美味しいフルーツや…ドリアン、ゴーヤなんかも。無理やりもらわされ去る僕ら。律儀にみな残さず食べて吐いている。
するといつの間にか自転車に乗っていて学校に帰らなくては行けないらしい。僕だけはぐれてしまったその時さっきの女の子が現れて、「アナタは♂っていう虫を踏んだのよ!幻覚を見てるだけ!そうよねおじいちゃん!」「そうじゃ」突っ込みどころ満載だが夢なのでそうもいかない。そして家の中に突っ込み線路の先には学校があった!!!!

夢はココでおしまい。最後らへんの自転車で通った道とか前にも夢で見たことがある僕。うーんと悩んでるうちにくしゃみを8連発。
死ぬかと思った…

WAO様。過去の日記も読まして頂いて面白い方だと思ったのでリンクさせて頂きました。消えていく顔文字。うけました(笑

大丈夫

2005年3月25日 空想の物語
僕には力は無い

支える力も無い

けど

話を聞いて答えることは出来るから

雨。

2005年3月23日 空想の物語
女の子が朝を覚ました。八時過ぎ。兄弟は皆出かけた後。聞こえるのは酔った父親の声と疲れてる母親の声。女の子はもう一度眠りについた。数分後「今日学校は?」と母親の声。「十時半に学校…」って答える女の子。その数分後女の子はベッドからようやく起きる。洗面所に向かい顔を洗う。父親も母親もまだ居間にいた。女の子は部屋に戻りゆっくり身支度をする。鞄を持ってゆっくりと玄関に向かう。ドアから出れば母親が鍵を閉める音が聞こえた。自転車を出して学校へ向かう。その時パラパラ雨が降ってきた。今更傘など取れない。女の子は自転車を漕ぎ出した。雨は強くなる一方。前髪に雫が出来る。時間は間に合わない時を指している。それでも漕ぎ続け学校の車庫に入れる。玄関は意外とにぎやかで女の子は指定された部屋へと向かう。新しい机と古い机を入れ替え自分の席につく。先生の話は殆ど耳に入らなかった。新しい教科書を買いまた一人で車庫に向かう。学校にいた時間は15分と無かっただろう。雨は降り続けている。濡れた制服にまた雫が落ちる。髪につけたワックスが雨と一緒に顔を伝う。スカートは捲れる心配が要らないくらい濡れ足に纏わりつく。自転車は雨に濡れブレーキがあまり効かない。このまま車にでもぶつかってしまえば…なんて思った。今自分は何の為に自転車を漕いでいるのか分からないなんて思ったりした。けど時は残酷で気がつくと家の前まで来ていた。ベルを鳴らしドアが開くのを待つ。少しするとドアが開き母親は何も言わず階段を上っていった。女の子もゆっくり靴を脱ぎ階段を上がる。上がると居間には父親がいた。父親が「おかえり。まだ雨降ってた?」と聞いてきたが「うん」としか答えなかった女の子。部屋には向かわず洗面所で体を拭いた。制服はいつもの倍くらい重かった。母親が何度か話し掛けてきたが良く覚えていない。「雨が…」「そういえば…」呪文のようにも聞こえた。部屋に戻り女の子は考える。数分後インスタント食品を食べたあと女の子は部屋の片付けを始める。この頃は忙しくて部屋が荒れてたなぁなんて思って片付けていた瞬間。自殺をする人というのは自分の身の回りを片付ける、いわゆる身辺整理というやつを突然始めると思い出した。そのとたん…
ある公園に一人の男がやってきた。苛立ちを表に出しガタン!とベンチに腰掛けた。すると雨が降ってきた。男は戸惑う様子も無く空を見て…
「ははっついにお天道様にも見放されたか!」
と言った。どれ位時間が経っただろう。男はポケットから煙草を取り出し一本、口に銜えライターで火を点けようとした。だが濡れている煙草は火が点くはずも無く真ん中でポロッと折れた。
「ちっくしょう!」
男は地面に煙草とライターを叩きつけた。目を前にやると一匹の汚い子犬がいた。
「何見てんだよ…」
「…クゥン」
「うざってぇんだよ!どっか行けってんだ!!」
「…」
「…なんだよ。テメーまで俺を馬鹿にすんのか?!」
「…」
「どうせお前も俺のこと人間のカスとか思ってんだろう!ああそうさ!俺は人間のカスだよ!賭け事に金注ぎ込んで借金塗れになって…ヤクザに家取られて…女に逃げられて…何にもねぇ一文無しだ…」
「…クウン」
「…」
「…」
「お前も一人ぼっちなのか?」
「…クウン」
男は大きくため息をついて小さく笑うとと子犬を抱いて歩き出した。
「俺の名前は洋介。今日からお前は俺が飼ってやる!名前は、そうだな…シェパードキング一世だ!いい名前だろう!!」
「ワン!!」
信じられない…人なんて。裏切りしか知らない、醜い生き物。みんな同じ。みんな一緒。己の為なら簡単に人を傷付けられる。なんて最低な生き物なの?どうしてこの世に生まれたの?どうして私は人間なの?
きっと私も誰かを裏切り己を守って来たに違いない。最低だ。共に歩むなんて無理なんだ。人は一人で生きている。何が人は助け合わないと生きていけないだ。元に人は仲間を蹴落とし生きている。
私は人間。醜い人間。回りも人間。汚い人間。ああ私は人間。誰にも会いたくない。自分が醜いと分かってしまうから。もういい。このまま…このまま…奈落のそこへ落ちたい…

「生まれたのに?」

え?

「この世に生まれたのに死にたいなんて…馬鹿も程々にしたら?この世界は生まれることも出来ず存在すらなかった者たちが沢山いるんだ。お前がしようとしている行為はそのもの達への侮辱だ。それこそ最低だね。それも分からない?」

あ…ぁ…

「生まれたことを呪うかい?裏切ったものたちを呪うかい?それとも己を憎むかい?生きる希望を無くして…だからどうしたの?確かに人間とは矛盾の塊…だけど人を慈しみ…愛し…敬うことができるのは生き物だけだよ?そして色々考えたり言葉にして…相手を考えることが出来る…それが人間だよ?他にも人間にしか出来ないこと…生き物にしか出来ないことまだまだ沢山ある。そんな人間として生まれてきたことを呪うなんて馬鹿も対外にしろってこと…僕は言いたいわけ。分かる?生きる理由が必要なら僕を理由にしろ。僕のために生きろ。」

誰?

「僕は君の片割れになる存在だったもの」

私は病院にいた。隣には泣いている母親と笑顔で笑いかける父親がいた。「助かったんだよ」と母は途切れ途切れに訴えていた。

「ゆう…き…」

私は泣きながらその名を呼んだ。

後から知ったけど私には双子の弟がいたらしい。生まれる時…既に鼓動は止まっていたらしいのだ。私は助けられたのだ。私は生きる希望を取り戻した。苛めにあっていた学校は転校し田舎町に引っ越した。セクハラを繰り返していた教師は捕まったらしい。私を苛めていた生徒は詐欺で捕まり麻薬も出てきて少年院で生活を送っている。町内会長はお金を悪行していたことがバレ今は逃亡中だと母親から聞いた。私には彼氏が出来た。幸せだ。本当に幸せだ。そういえば最後に彼は何かを呟いていた気がする。

「あと百年後くらいに…また会おうぜ」

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